​フォーカル・ジストニアについて

ジストニアとは

近年「腱鞘炎」という言葉と同様にピアノ学習者を悩ませているのが「フォーカル・ジストニア」です。
違和感とともに、意思に反した動きが指先に起こります。


・指が内側に巻き込んでくる
・指が突っ張ってしまう

痛みやしびれが伴うことはあまりなく、日常の生活ではあまり気にならない方が多くいらっしゃいます。
そのため初期段階では「練習不足が原因では」という自己観察がさらに過度の練習に繋がっている事が多々あります。

ピアニストの5%がこの障害に悩んでいるというデータもあり、潜在的な患者数は想像をはるかに超えるでしょう。

 

ピアノ以外でも、弦楽器・管楽器など様々な楽器からゴルフ・テニスなどスポーツまで、あらゆるジャンルで発症します。

長年同じことを繰り返し訓練することに原因を探る必要があります。

原因と治療

30年ほど前にはあまり耳馴染みのなかった病名ですが、現在は医学的にも認知され、解明と研究も進んでいるようです。ただ、日常的な生活では症状がさほど現れないことから、筋肉・関節・骨といった肉体的な病気でないことも明らかになっています。

 

有力なのは「脳の神経系の誤作動」です。

そもそも全身のすべてのパーツは密接につながりあっています。指を動かす動作においてもほかの多くの筋肉や関節が関わるはずです。しかしピアノを弾く時だけ特別な指の使い方を長年続けていると、脳が混乱をして筋バランスが崩れたり、過度な緊張が起こったりしてしまいます。

 

外科的な治療法を勧める医療機関もあるようですが、フェルデンクライス的には、まず混乱している脳の神経系をもう一度構築し直すプロセスを取ります。

フェルデンクライス的アプローチ

「脳を再教育する」というのがフェルデンクライスの本質的な考え方です。

その方法は大まかに2つあります。

 

1)指先と全身のつながりを変化させる

日頃から指の症状に意識が向いてしまいますが、​全身に注意を向ける練習をします。

指を動かす時に体全体に意識が向けられる必要があるためです。

その方法も2つ。意識して注意を向ける方法と意識下で機能させる方法です。

いずれにしても指を動かすときに骨盤や背中の動きとの関連性を感じられるようになるのです。

症状の軽い方は、この方法だけでも随分改善が見られます。その学習に特化したATMやFIも非常に効果的です。

2)脳をだます

症状が出ている指の動きを、脳がどのように理解しているのか探し出すプロセスが必要です。

脳に電極をつける等科学的なものではありませんが、他の指の動きを利用しながらその症状が減る動きと増える動きをパズルのように組み合わせて探していきます。

例えば3-4の順次進行などで不安定な時、4と5を1本の指のようにして動かしてみると、そのあとで4が5の指から動きを学びとるように変化することがあります。フェルデンクライス 的には未分化の理論ですが、その反対もあります。脳をだます、すなわち回路の再構築です。

多くの仮説を立てながら進みますが、明快に機能が正常に変化する感覚をつかんでいただけています。

 

レッスンは両方を組み合わせますが、いずれでもピアノの音色が大きく変化するのでその効果が分かりやすいと感想をいただいています。

人間は学習する過程で情報に多くを目に頼る傾向があります。

動きを真似てしまうのです。ただ、多くのケースでは真似るターゲットが指や手首の動きであり、骨盤の動きや膝や背中の動きを真似てみようとは思わないでしょう。動きの一部だけを真似ることはある意味リスクが伴うことをわかっていたほうがいいですね。

それを解決するためにも、自分の動きにいつも注意を向ける習慣が必要です。

長い年数をかけて積み上げた技術は多くの癖の集合体となっています。

同じ使い方をする限り同じ症状が繰り返すことになる --- 痛みの原因となっている動きを探して、違う動きを学ぶ--- 

その為に自分の脳の使い方を変えていきましょう。

これが結局は近道だと思います。

次回のワークショップ

「ジストニアに悩むピアニストのために

〜カラダと指の繋がりを探索しながらvol.2〜

2018年2月24・25日

ジストニアのピアニストのためのワークショップの流れ

ピアニストのためのフェルデンクライス

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