ピアニストのためのフェルデンクライス

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ジストニア

■ジストニア とは

近年「腱鞘炎」という言葉と同様にピアノ学習者を悩ませているのが「フォーカル・ジストニア」です。

違和感とともに、意思に反した動きが指先に起こります。

・指が内側に巻き込んでくる

・指が突っ張ってしまう

痛みやしびれが伴うことはあまりなく、日常の生活ではあまり気にならない方が多くいらっしゃいます。

その結果初期段階では「練習不足が原因では」という自己観察がさらに過度の練習に繋がっていまっている事が多々あります。ピアノやキーボードに向かうと症状が強まります。

■原因と治療

ピアノ以外でも、弦楽器・管楽器など様々な楽器からゴルフ・テニスなどスポーツまであらゆるジャンルで起こるということは、長年同じことを続けて行ってきたことに原因が考えられます。

 

30年ほど前にはあまり耳馴染みのなかった病名ですが、現在は医学的にも認知され、解明と研究も進んでいるようです。ただ、日常的な生活では症状がさほど現れないことから、筋肉・関節・骨といった肉体的な病気でないことも明らかになっています。

 

有力なのは「脳の神経系の誤作動」です。

例えば本来1本の指を動かすだけでも、ほかの多くの筋肉や関節が関わるはずです。しかしピアノを弾く時だけ特別な指の使い方を長年続けていると、脳が混乱をして屈筋・伸筋のバランスが崩れたり、過度な緊張が起こったりしてしまいます。

 

外科的な治療法を勧める医療機関もあるようですが、フェルデンクライス的には、まず混乱している脳の神経系をもう一度構築し直すプロセスを取ります。


 

■フェルデンクライスの試み

「脳を再教育する」というのがフェルデンクライスの本質的な考え方です。

 

正しいやり方を学ぶ時に、目からの情報や動きの真似は大いに注意が必要です。

人間は人の動きを真似る事が得意ですが、目が捉えられるのはごく一部であって、表面的だからです。

フェルデンクライスメソッドには、筋肉を物理的にほぐす、という考え方はありません。

強ばりや痛みは、その部位に原因があるわけではなく、同じ使い方をする限り同じ症状が繰り返すことになります。

痛みの原因となっている動きを探して、違う動きを学ぶ ー この「動き」とは、自分の意思で変えるものと、意識下で勝手に変化するものと両方ですが、脳に新しい動きを探させる「学習」です。

 

自分の脳に学習させる、という意識を受け入れるのが難しいという質問もよくいただきます。

確かに、自分は意思を持って自分の動きをコントロールしていると思う事が多々あります。指も腕も自分の意思で動いている…。「万能」である「脳」に、自分が学習させるとは?という事だと思います。

しかし、脳は意外と自分の動きから自分の感情を作り出しているものだということもわかってきています。「楽しいから笑う」のではなく、「笑う筋肉が動いているから、自分は楽しいのだ」という脳の学びの性質。脳科学の本にはこのような説明が多くなってきました。

ピアノを弾くのも同様で、一度体得した技術に対して、「そのやり方をすれば弾けるのだ」と認識してしまう。構造的にはもっと楽な動きがあるはずなのに、自然な動きとは違った動きを続けしまうのです。

先ずは自分の動きを観察するプロセスにおいて、指を動かす時に体全体の繋がりを感じられる練習をします。

感じられるようになれば、自分の動きの中に「自然な動き」を探し出すことも簡単になります。

その上で、指を動かすための新しい習慣を作るアプローチをして行きます。

個人的な感想ではありますが、このプロセスは想像以上に刺激的なものです。新しい動きを発見したときの喜びがさらに次の練習に繋がります。

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ピアノレッスン


最初に弾いたものと同じパッセージを弾いて頂きます。かなり体の使い方が変わってきているので、症状も変化していることが多いです。
症状の軽減する或いは症状の治る指の使い方や意識の向け方を個別に探し出します。ここで大切なのは、これまでの習慣的な弾き方から離れることです。
症状が出なくなったことを不思議に思われて、「こうやると今まではコントロールできなくなったのに…」とわざわざ以前の奏法に戻したくなる方もいらっしゃいますが、ぜひ新しい弾き方を受け入れてください。

ジストニアのピアニストのための

ワークショップの流れ

はじめに

先ずはそれぞれ自己紹介しながら、症状が出た経緯やこれまで受けてきた治療についてお話しして頂きます。病歴や症状について公にされたくない方は、事前におうかがいし配慮いたします。

 

次に症状が出やすいパッセージをいくつか実際に弾いて頂きます。


わざと症状が出やすいパッセージを弾くことで、「良いイメージ」が失われる感覚がある場合も慎重に対応します。
スケールとアルペジオも事前に練習をお願いしておきます。cis-moll,h-mollなど症状が出やすい調性があります。個人差もあり大きなヒントになります。

 

フェルデンクライスとはどういうメソッドなのか…その辺りも説明させていただきます。


 

ATMをします

 

ATMはフェルデンクライスの特長的なアプローチの1つです。

床に寝たり、椅子に座った状態で自分自身で自分の動きを観察して行くプロセスとなります。これを通じて「手」に常に集中している感覚を体全体に広げていきます。
この過程で脳の認識に色々な変化が起こります。

言語化できないレベルのものも多く、起き上がった時に体の使い方に変化が起こります。

確認のためにピアノを弾きます

 

これまでと違った感覚が身体にある状態でピアノを弾いて頂きます。
この時点でジストニアの症状の出方が変わる方もいます。

体の構造について

 

脳と体の関係・体の構造・人の習慣的な動きについてなど、フェルデンクライス的な学習の根本的な部分を学んで頂きます。

実際の骨格モデルを使って説明します。

FIレッスン


個々に10-15分程度のFIレッスンを受けていただきます。
ATMとは違いダイレクトに骨格にアプローチします。
骨格の繋がりがスムーズに行われていない部分に焦点を当てる形ですが、人によって異なります。

 

ジストニアは指の症状ですが、ほとんどのケースで肩甲骨と指の関連性に問題が見つかります。

肩甲骨や鎖骨まわりの過度の緊張が、指先からの意識の伝達に影響を与えている事が、この緊張が力の使いすぎによるものか、使わないことによるものか、使う方向によるものかによっても大きく違いが出てきます。


心地よく動かされるので眠くなる方もいらっしゃいますが、動かされた中で起こる普段とは違った動きに興味を向けて見られると良いと思います。

ジストニアになるのに相当の年数がかかっています。その長年の習慣を変更するためにじっくりと新しい習慣を受け入れる意識が大切だと思います。